子どもの代表的な皮膚疾患

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎当院は小児アレルギー科を得意としており、アトピー性皮膚炎の専門的な診断・治療をお紺なっております。早期のアトピー性皮膚炎の治療はその後のアレルギー疾患を防ぐためにも重要な役割を果たします。まずはお気軽にご相談ください。

アトピー性皮膚炎について
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あせも(汗疹)

原因と症状

汗疹があるこども高温多湿の環境で大量に汗をかき、汗管(かんかん:汗が出る穴)が汗の成分、ホコリ、汚れなどで詰まった結果、汗がうまく表面に排出できなくなることで生じる皮膚トラブルです。
熱を出した時に起こることもあり、夏に多くみられます。特に子どもは汗をかきやすいため、冬の暖房の効いた室内でも起こります。衣服の摩擦を受けやすく、かつ汗をかきやすい首回りや脇の下、背中、おむつ部分、膝の裏などに赤いブツブツができやすいです。
ひどくなると赤くなる範囲が広がり、かゆみも伴うようになります。

治療とホームケア

軽度でしたら発汗を防ぐスキンケアで大体良くなります。室温が25℃前後、湿度は55%前後の、風通しのよい涼しい環境にいることが大切です。
汗をよくかいた時はハンカチやウェットティッシュでやさしく押さえるように拭き、こまめにきれいな服に着替えましょう。入浴やシャワーをこまめに行うことも大事ですが、その度に石鹸を使う必要はありません。
石鹸で洗うのは1日1回にとどめ、よく泡立てて優しく手で洗いましょう。石鹸の成分が肌に残るとかえってあせもが悪化するので、丁寧に洗い流しましょう。服は吸湿性と通気性が高い素材のものがお勧めです。
それらを行っても改善されない場合やかゆみがひどい場合は、炎症を軽減させる軟膏やステロイド軟膏を処方します。

おむつかぶれ

原因と症状

おむつおむつで皮膚が蒸れると、抵抗力が下がってしまいます。そこに尿や便による刺激が加わることで、炎症が生じます。
おむつが当たる部分が赤くなり、重症化すると表面がむけたようにただれてしまいます。



治療とホームケア

おむつをこまめに替えるのが有効です。できれば排便後、ぬるま湯でお尻を優しく洗うのが理想ですが、それが難しい場合はおしり拭きや濡らしたコットンで優しくふき取りましょう。
拭いた後は乾燥させ、乾燥後は保湿のためクリームを塗ると良いでしょう。皮膚科では、抗炎症作用のある軟膏やステロイド軟膏を使っておむつかぶれを治します。
また、おむつかぶれに加えてカンジダ皮膚炎になることもあるため、おむつかぶれの治療途中から悪化した場合は放置せず、早めに受診しましょう。

カンジダ皮膚炎

原因と症状

赤ちゃん真菌であるカンジダ菌によって起こる皮膚炎です。お尻や脇の下、股のシワの間が赤くなり、少し皮がむけたようになります。
周りに赤いブツブツや、ニキビみたいに膿を伴った赤いブツブツが出てくることもあります。おむつかぶれと併発して起こるケースが多く、抗生物質を飲んでいる時や体調不良で抵抗力が落ちている時に出やすい傾向があります。


治療とホームケア

抗真菌剤を塗って治します。カンジダ菌は乾燥に大変弱い菌ですので、身体を洗ったり便などを拭いたりした後は、シワの間もきちんと拭いて乾燥させると早く治りやすくなります。再発予防としても有効です。

とびひ

原因と症状

軟膏を塗るこども子供の代表的な皮膚疾患で、黄色ブドウ球菌によって起こる皮膚感染症です。特に夏に多く見られます。医学的には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と呼ばれています。
湿疹や虫刺されて生じ、傷をかきこわした箇所にびらんや水疱ができるようにもなります。手を介して、あらゆるところに症状が拡大していきます。

 

治療とホームケア

軽い場合は抗生物質の含まれた軟膏で治せますが、多くの場合は経口抗生物質剤による治療が前提になります。お風呂に入ったり石鹸を使ったりするのは問題ありませんが、患部には直接触らないでください。
「兄弟姉妹がいる場合は別々にお風呂に入る」「プールに行くのを避ける」などの対処法も必要です。
子供同士だと簡単に感染してしまうので、なるべく他の子達との接触を避ける必要があります。

水いぼ

原因と症状

水いぼ伝染性軟属腫ウイルスに感染することで発症する感染症です。医学的には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれています。柔らかくて丸く、ツヤツヤとしていて真ん中に凹みがある1~5mmのイボが生じます。
イボの中にはウイルスと皮膚の成分が含まれています。手のひらと足の裏以外のどこにでも発生しますが、特に脇の下や陰部など、皮膚が柔らかい箇所にできやすい傾向があります。かきこわすと別の箇所にも移っていきます。

治療とホームケア

免疫力がつくと水いぼは自然とできなくなります。しかし、免疫が立ち上がるまで時間がかかるため、感染が拡がってしまうケースも少なくありません。「治療を受けなくてもいい」と考えていたとしても、どんどん水いぼが発生してくるようであれば、放置せずに受診した方が望ましいです。治療を受けても免疫力がついていないと再感染する可能性がありますが、いぼの数が少ないうちから治療を始めた方が、処置も短時間で終わります。また、「かゆみがひどい皮膚炎を伴っている」「かきこわして、とびひになった場合」は、放置せずに適切な治療を受けましょう。
治療ですが、水いぼ芯をピンセットで摘まみ、除去する処置を行う選択もあります。ただし、この処置は痛みを伴うので、痛み止めテープを約2時間患部に貼り続けてから実施します。処置後は当日からお風呂に入れますが、プールは2~3日控えてください。処置を受けたくない場合や数が多すぎる場合は、漢方薬である「ヨクイニン(ハトムギ種子抽出物)」を飲んで経過観察する治療法も選択できます。プール後などは、シャワーや上がり湯を行い、石鹸できちんときれいに洗いましょう。

いぼ

原因と症状

手を洗う子供ヒト乳頭腫ウイルスに感染して生じる感染症です。医学的には「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と呼ばれます。子どもの手足によく見られますが、顔や腕、脚にできるケースもあります。
「硬くてポツポツとしていて、赤または紫色の点ができた」「1個しかできなかった」「大量にできた」など、種類や症状は患者様一人ひとり大きく異なります。
また、足の裏にできるいぼは「魚の目」と勘違いされることが多く、「削っても治らない」と訴えて受診される方も少なくありません。

治療とホームケア

患部を触ると他の皮膚へうつってしまうので、あまりいじらないでください。プールなどから戻った後は手や足を石鹸できちんと洗い、感染を防ぎましょう。
治療では「液体窒素」という冷たい液体を使って冷凍凝固し、カサブタにしてから徐々に小さくしていく方法が良く行われます。たくさんできた場合は漢方薬であるヨクイニンを処方することもあります。

虫刺され

原因と症状

虫刺され 原因と症状特に、夏に多くみられる皮膚トラブルです。蚊やブユ(ブヨ、ブト)などによるものが多いのですが、近年では暖房の効いた冬の建物や、乗り物の中での虫刺されも多く見られます。子どもは大人と比べて虫に刺された後の反応が早く、かつ症状も強く現れやすい傾向にあります。そのため刺された箇所が赤く腫れ、水ぶくれになるケースもあります。また、刺された箇所から細菌が入り込み、患部が化膿することもあります。かゆみが酷いと強く掻くことになり、とびひの原因に繋がります。

治療とホームケア

顔にはミディアム・ステロイド、体にはストロング・ステロイド外用薬を塗って治します。細菌の感染も起こっている場合は、抗生物質が必要になることもあります。治療中はお風呂に入っても問題ありませんが、症状によってはプールなどを避けた方が望ましいこともあります。
医師の指示に従って日常生活を送りましょう。
また、虫さされは予防が重要です。緑の多い屋外へ行く時は、服から露出している肌に虫よけスプレーを吹きかけましょう。
顔や目にスプレーの液体がかからないよう、使用量を守って気を付けて使いましょう。

室内での虫さされ

原因と症状

ソファー気温も湿度も高くなる夏は、畳や絨毯、ソファーなどにツメダニが大量に繁殖しやすい時期でもあります。また一軒屋の場合、ネズミが屋根裏に棲みついているとイエダニも繁殖している可能性があり、ネズミが死んだ後、人間を襲うようになります。
ツメダニ・イエダニに刺されると、脇の下や腕や太ももの内側、ウエスト周辺などといった皮膚が柔らかい箇所に、赤いポツポツが点々とできるようになります。
同居するご家族も似たような症状に悩まされるケースも多々あります。

治療とホームケア

ステロイド軟膏を塗って治します。大量にポツポツができて強いかゆみを伴っている場合は、抗アレルギー内服薬を処方することもあります。ダニの駆除が一番重要です。
また、お昼寝する時などは、直に畳の上やソファーへ寝かせないようにしましょう。
布団はこまめに天日干しして、掃除機をかけてダニが侵入しないようにしましょう。一軒家にお住まいの場合は、ネズミ駆除を徹底して行いましょう。

汗疱(かんぼう)/異汗性湿疹

原因と症状

赤ちゃんの手表皮内汗管(皮膚表面にある、汗が出てくる管)に汗が溜まることで、手のひらや指、足の裏に小さな水ぶくれが突然ポツポツできたり、皮が薄くめくれたようになったりする状態です。
表皮内汗管に汗が溜まった結果、表皮内に小さな水疱が発生します。
一見、水虫のようにも見えますが、重症化すると指先のめくれた皮膚がさらに薄く、過敏になります。
その結果、「物に触れると痛い」といった症状や、かゆみが出てくるようになります。

治療とホームケア

尿素を含んだクリームを使います。重度の場合は、抗炎症性の軟膏やステロイド軟膏を処方します。
高温多湿をできる限り避けることが重要で、入浴やシャワーは短時間で済ませるようにしましょう。
長時間お風呂やプールに入り続けると、症状が悪くなる恐れがあります。低刺激性の石鹸で優しく手を洗い、湿った状態にしないで乾燥させます。
足のケアも通気と乾燥が大切ですので、「汗を吸い取る靴下をはく」「サンダルなど靴の中が蒸れにくい履き物にする」「靴下が汗で濡れたらこまめに交換する」などの対処法を心がけましょう。

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