子どもの繰り返す発熱

当院は発熱外来の対応クリニックです

  • 24時間以内に「37.5度以上の高熱」が出た場合は、発熱外来へお越しください。
  • WEB予約の時間 午前診察9:00~11:30/午後診察14:00~20:00
  • 予約が確定された時間へお越しください。
  • 診察室とは別の場所へ待機していただくため、当院前まで到着されましたらすぐに入らず、お電話(03-3334-2030)までお知らせください。
診療時間 日・祝
9:00~11:30
14:00~17:00
18:00~20:00

休診日:水曜日・土曜日午後・日曜日・祝日
乳児健診は、火曜日9:00~10:30のみとなりますのでご了承下さい。
土曜日は09:00〜13:00のみの診療です。

お子さまの発熱について

お子さまの発熱について人間の体温は常に一定ではありません。1日の中でも1℃ほどの変動があります。一般的に、日本人の平均体温は36.5~37.2℃と言われていますが、個人によって異なることもあります。特に赤ちゃんの場合、平均体温よりもやや高めの傾向にあります。そのため、子どもの発熱は基本的に「脇の下で計測して37.5℃以上」とされています。
ただし、熱が高いからと言って必ずしも重症であるとは限りません。発熱は受診の目安となる症状ですが、他の症状も注意深く確認する必要があります。熱以外にどのような症状が現れているかを考慮することが重要です。

発熱の原因

発熱した子供発熱の原因には、細菌やウイルスなどの感染症、自己免疫性疾患などの内因性疾患、薬剤の副作用などが挙げられます。さらに、環境的要因から発熱が引き起こされる外因性もあります。中でも、子供に最も一般的な発熱の原因は感染症です。外敵が体内に侵入すると、人間の免疫系は防御反応を開始し、リンパ球が活発に働きます。リンパ球は高温環境で活性化するため、発熱が生じるのです。感染性の発熱の場合、無理に解熱剤を使用して体温を下げる必要はありません。感染症による発熱は、身体の調節機構によって適切に制御されるため、脳に悪影響を及ぼすほどの高熱(41度を超える)は起こりません。
一方、内因性の発熱は、川崎病や膠原病などの自己免疫に関連する疾患による炎症反応に起因して発生し、高体温が見られることが多いです。また、一部の薬剤は副作用として発熱を引き起こす場合もあります。
外因性の発熱の代表例は「熱中症」です。熱中症では、発熱の制御が困難となり、体温が41℃を超える恐れがあります。この場合は、速やかに体温を下げる必要があります。
以上のように、発熱の原因は多岐にわたりますが、適切な原因の特定と対処が重要です。

受診が必要な発熱

受診が必要な発熱子どもが熱を出している場合は、全体の症状も踏まえ、速やかに受診すべき発熱か、経過観察した方がいい発熱なのかを見極める必要があります。見極めるのは難しいかもしれませんが、下記の症状がみられた場合は、一刻も早く受診した方がいいとされています。

上記の症状に加えて、「生後3か月未満の赤ちゃんが38℃以上の熱を出した場合」や、「3日以上熱がひかない場合」なども、発熱外来へ受診してください。

対処法

水分補給

経口補水液子どもは大人と比べて体内の水分量が多く、体表面積も体重に対して大きめです。そのため子どもが発熱すると、水分の放散量が大人よりも多くなり、脱水状態に陥りやすくなります。発熱時は脱水症状を防ぐため、水分をこまめに摂りましょう。特に授乳中の赤ちゃんの場合は、母乳やミルクなどをこまめに与え、離乳後の子どもには経口補水液や麦茶、白湯など、お腹に負担をかけない優しい飲み物を飲ませましょう。それ以外にも、子どもが好む飲み物でしたら、何でも飲ませるようにした方が望ましいです。もしぐずって自分で水分補給できない状態であれば速やかに受診してください。

母乳や人工乳

ミルクを飲む子供母乳も人工乳もいつも通り飲ませましょう。人工乳の場合も、薄めずに飲ませても問題ありません。昔とは異なり現在では、発熱時でも、人工乳を薄めずに飲ませることが勧められています。またお乳だけ飲ませていて脱水が心配な時は、経口補水液なども飲ませてあげましょう。


温度調整と冷やし方

寝る子ども熱が出たばかりの段階では、寒気を感じて体が震えることがあります。その場合は、一時的に布団やブランケットなどを使って構いません。しかし震え止まりが、手足や顔の肌が良くなったら、熱がこもらないように布団を薄めのものに替えて、クーリングできるように調節しましょう。汗をかけるようになると、熱も緩和されます。汗が出てきたら身体を冷やさないよう、別の服に着替えて汗を拭いてあげましょう。首や脇の下、太ももの付け根近くに、保冷剤や貼るタイプの冷感シートなどで冷やすのもある程度有効です。両脇を冷やす時は、保冷剤をハンカチやストッキングに包み脇に当てたり、タスキ掛けしてください。なお、無理に身体を冷やさなくても大丈夫です。

解熱剤

薬を飲む子供睡眠を取ることができ、自分で水分補給できている状態であれば、無理に解熱剤を使用する必要はありません。むしろ感染症の場合、かえって回復が遅れる恐れもあります。
しかし、痛みや倦怠感を伴っていて眠れない、水分補給に支障をきたしている場合は、解熱剤を使って身体への負担を減らしてあげましょう。
小児科では、副作用などが少ないとされるアセトアミノフェンを主成分とする解熱剤が良く処方されます。薬剤名で言うとカロナールなどが有名ですが、市販薬の「小児用バファリン」が同じ薬効成分になります。解熱剤を使わず頑張る必要はありません
解熱剤は服用後、効果が出るまで30分程要します。その間も水分補給は忘れずに行いましょう。また、「咳が続いている」「息苦しそう」な状態でも、解熱剤で熱を下げると酸素の消費量が抑えられますので、解熱剤を使うことは理に適っています。

発熱時の食事

おかゆ感染症で熱が出ている場合、食欲不振になっているケースが多くあります。普段よりも、食事量が減る子も少なくありません。そういった時はまず水分補給を優先させましょう。症状が辛い時に、無理に食べさせるのは禁物です。
ただし、赤ちゃんの場合、まだ肝臓の機能などが発達してきれていないため、身体の中でエネルギーが蓄えられない可能性もあります。そのため食事が十分に摂れていないことで、低血糖に陥る恐れもあります。まずは様子を見て、経口補水液に加え、糖分をしっかり摂るようにしましょう。また、アレルギー体質がある場合、感染症や発熱によって免疫機能が過敏になる事があります。そのため健康な時では反応しない食品でもアレルギー反応を起こしてしまう恐れがあります。食材には十分に気を付けましょう。

発熱が夜間や休日の場合

上記の対処法を参考にしながら、様子を見てください。もし「水分補給できない」「ぐったりしている」など心配な症状があった場合は#7119に、ご相談いただくか救急医療機関へ受診してください。

よくある質問

熱を出した場合、解熱剤を飲ませた方がいいのでしょうか?

人間は感染症が起こると、病原体を追い出すために熱を出す仕組みを持っています。発熱は生体の防御反応なので、無理に下げると回復が遅れてしまう恐れもあります。しかし、水分補給できない、ぐったりしている、眠れないなどの症状がある場合には、脱水状態に陥るリスクと体力の消耗を防ぐために解熱剤を使うことをお勧めします。

熱を出したら、すぐに受診した方が良いのでしょうか?

もちろん、熱の高さは受診の目安になりますが、「熱が高い=症状が重い」とは言い切れません。特に感染症によって熱が出ている場合は、治すために身体が熱を出しています。発熱のみを見るのではなく、全身の調子も踏まえることが重要です。もし半日以上熱が続いているようでしたら、受診を推奨します。もし様子が明らかに普段と違うようであれば、速やかに受診してください。

解熱剤を飲んだ場合、何分後に効き目が現れますか?

小児科では子供の安全性を考慮し、副作用が比較的少ない、アセトアミノフェンを主成分とする解熱剤が処方されます。この薬は、飲み始めてから30分経った後に効き始め、3~4時間後には効果のピークに達します。ピークに達した後は少しずつ効き目が薄れていきますが、平均4~6時間も効果が持続されます。解熱している間に水分補給と睡眠を取る工夫をしましょう。

消化の良い食事とは、どういったものでしょうか?

柔らかくて温かい食物は基本的に、お腹に負担を掛けず、消化が良いものだとされています。炭水化物でしたら、お粥やよく煮こんだうどんなど、穀類や野菜でしたら柔らかく煮た豆類、豆腐、ジャガイモなど、たんぱく質では半熟卵、白身魚(タイ・ヒラメなど)を焼いたものや煮物などが挙げられます。また肉類の場合は、鶏肉の胸肉やささみ、果物ではバナナやリンゴ(特にすりおろしたもの)などをお勧めします。

TOPへ