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【医師解説】インフルエンザB型の症状は?A型との違いや「足の痛み」について

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【医師解説】インフルエンザB型の症状は?A型との違いや「足の痛み」について

「熱が出たけれど、インフルエンザA型とB型、どちらなんだろう?」
「子どもが『足が痛くて歩けない』と言っているけれど、大丈夫かしら?」

冬の感染症シーズン、お子様の発熱や急な体調不良は、親御さんにとって大きな不安の種かと思います。特にインフルエンザB型は、A型とは少し違った特徴的な症状が出ることがあり、戸惑われる方も少なくありません。

今回は、長田こどもクリニック副院長が、最新の国際的な医学論文(エビデンス)に基づき、インフルエンザB型の症状の特徴や、A型との違いについて詳しく解説します。

「当院のブログが目指すこと:エビデンスに基づく情報発信」

私たち杉並区荻窪の長田こどもクリニックは、小児科診療において、1個人の意見ではなく、常に科学的根拠(エビデンス)に基づいた診断と治療を最優先にしています。

インターネットで医療情報を検索する中で、多くの情報が個人の経験談であったり、根拠の不確かな情報も少なくありません。「インフルエンザB型の症状」に関するこの記事も、世界中の医師が信頼を寄せる最新の医学論文レビューや国内外の診療ガイドラインを基に、他の医療者から見ても妥当だと思っていただけるレベルで、日本一詳しく、そして正確に解説することを目指します。

1. 症状だけでA型とB型は見分けられる?

まず結論から申し上げますと、「患者さん個人の症状を見ただけで、A型かB型かを100%見分けることは不可能」というのが医学的なコンセンサスです。

確定診断のためには、クリニックで行う迅速抗原検査(鼻の奥を綿棒でこする検査)などが必要です。

しかし、数千人以上の患者データを解析した大規模な研究(Pediatrics誌など)によると、「統計的に有意な傾向の違い」は確かに存在することがわかっています[1]

2. インフルエンザB型の特徴的な症状(消化器症状・筋炎)

インフルエンザB型には、A型(特にH3N2香港型)と比較して、お子様において特に注意すべき2つの特徴的な症状があります。

① 腹痛・嘔吐・下痢などの「お腹の症状」が多い

「インフルエンザはお腹にこない(胃腸炎とは違う)」と一般的に言われることがありますが、B型に関しては例外です。
Minodierらのレビュー研究によると、インフルエンザにおける消化器症状の頻度は高く、特にB型において嘔吐や腹痛が顕著に現れやすい傾向が報告されています[2]

発熱と同時にお腹を痛がる場合、胃腸炎だけでなくインフルエンザB型の可能性も考慮する必要があります。

② 「足が痛い」と訴える良性急性筋炎

ふくらはぎの痛みに注意

解熱前後(熱が下がってきた頃)に、お子様が急に「足が痛い」「歩けない」と訴えることがあります。これは「インフルエンザ関連良性急性筋炎(BACM)」と呼ばれる合併症です。

Kosmeriらによる2025年の最新の研究(*Children*誌)では、この筋炎を発症した小児の多くがインフルエンザB型であったというデータがあります[3]。B型はA型に比べて筋炎の合併率が有意に高いことが知られています。

ふくらはぎの筋肉にウイルスによる炎症が起きるもので、非常に痛がって歩行を拒否することもありますが、多くの場合は数日で自然に軽快します。

3. 【比較表】A型とB型の傾向の違い

これまでの医学論文データを統合し、統計的な傾向を表にまとめました。
※あくまで「傾向」であり、個人差が大きい点にご注意ください。

特徴 インフルエンザA型
(特にH3N2)
インフルエンザB型
(Victoria/Yamagata)
発熱の程度 39〜40℃超の高熱が出やすい。
炎症反応も強い傾向。
A型に比べると平均体温はやや低い傾向があるが、高熱が出ることも多い。
消化器症状 比較的少ない 腹痛・嘔吐・下痢を伴う頻度が高い[2]
筋肉痛 全身の関節痛・筋肉痛 ふくらはぎの痛み(筋炎)が特徴的[3]
経過 急激に発症し、急激に解熱する傾向。 A型よりやや緩徐で、解熱までの時間が長くかかることがある。

4. 「B型は軽い」は本当?小児科医の視点

かつては「A型は重く、B型は軽い」と言われることがありましたが、この通説は現在の小児医療では否定されています。

Tranらによるカナダでの大規模な調査(*Pediatrics*)では、小児においてインフルエンザB型はA型と比較して、入院率や重症化のリスクが同等である(決して軽くない)ことが証明されています[1]

油断は禁物です

「B型だから大丈夫」と自己判断せず、お子様の様子(水分摂取、呼吸状態、顔色)をしっかりと観察してあげてください。

5. よくある質問(Q&A)

インフルエンザA型にかかった後、同じシーズンにB型にかかることはありますか?

はい、あります。A型とB型はウイルスの型が全く異なるため、A型に感染して免疫ができても、B型を防ぐことはできません。ひと冬にA型とB型の両方にかかってしまうお子様も珍しくありません。

B型の場合、治療薬は異なりますか?

基本的には同じです。タミフル、イナビル、ゾフルーザなどの抗インフルエンザ薬は、A型・B型双方に効果があります。ただし、発症からの時間や年齢、症状の重さによって最適な薬は異なるため、医師が診察の上で決定します。

「足が痛い」と言って歩けない場合、救急車を呼ぶべきですか?

意識がはっきりしていて水分が取れていれば、慌てて救急車を呼ぶ必要はありません。インフルエンザに伴う筋炎の多くは数日で自然に良くなります。ただし、痛みが激しくトイレに行けない場合や、尿の色が赤黒い(ミオグロビン尿)場合は、早めに医療機関を受診してください。

6. まとめ:気になる症状があればご相談ください

インフルエンザB型は、お腹の症状や足の痛みなど、少し特徴的な症状を見せることがあります。しかし、一番大切なのは「型」を当てることではなく、お子様の全身状態を適切に評価し、必要な治療を行うことです。

  • 高熱が3日以上続く
  • 嘔吐して水分が取れない
  • 熱が下がった後に足を痛がって歩かない

もしこれらの症状が見られたり、ご不安な点があれば、我慢せずに医療機関をご受診ください。

長田こどもクリニックのご案内

当院は平日毎日夜20時まで土曜日は13時まで診療を行っております。
お仕事帰りや急な発熱でも安心して受診いただける体制を整えています。

駐車場を6台完備しておりますので、杉並区に限らず、練馬区・中野区など近隣エリアからの患者様も多く受け入れております。
お子様の体調で気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

参考文献・エビデンス出典

  1. Tran D, Vaudry W, Moore D, et al. Hospitalization for Influenza A Versus B. Pediatrics. 2016;138(3):e20154643. [PubMed]
  2. Minodier L, Charrel RN, Ceccaldi PE, et al. Prevalence of gastrointestinal symptoms in patients with influenza, clinical significance, and pathophysiology... Virol J. 2015;12:215. [BMC]
  3. Kosmeri C, et al. Influenza-Associated Benign Acute Childhood Myositis During the 2024–2025 Season: A Retrospective Multicenter Study. Children. 2025; 12(10):1333. [MDPI]

長田こどもクリニック
〒167-0052 東京都杉並区南荻窪1-31-14
副院長:長田洋資(小児科専門医)

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