ブログ

インフルエンザ予防内服の効果と費用|受験生・家族への処方について

local_offer一般小児科

インフルエンザ予防内服の効果と費用|受験生・家族への処方について

「明日から大事な受験なのに、家族がインフルエンザにかかってしまった」
「生後間もない赤ちゃんがいるので、親である自分は絶対に倒れられない」

このような緊急事態において、感染を防ぐための医学的な選択肢が「抗インフルエンザ薬の予防内服」です。マスクや手洗いだけでは防ぎきれない家庭内感染のリスクを、お薬の力で大幅に下げることが可能です。

この記事では、UpToDate(世界的な医学的エビデンス)に基づき、予防内服の効果、適切なタイミング、そしてなぜ当院では「タミフル」を推奨しているのかについて、副作用も含めて詳しく解説します。

当院のブログが目指すこと:エビデンスに基づく情報発信

私たち杉並区荻窪の長田こどもクリニックは、小児科診療において、個人の意見ではなく常に科学的根拠(エビデンス)に基づいた診断と治療を最優先にしています。
この記事も、世界中の医師が信頼を寄せる最新の医学論文やガイドラインを基に、他の医療者から見ても妥当な内容で、日本一詳しく正確に解説することを目指します。

1. そもそも「インフルエンザ予防内服」とは?

通常、抗インフルエンザ薬は「発熱してから治療のために」使いますが、予防内服とは「ウイルスに接触した直後、症状が出る前に薬を飲むことで発症を防ぐ」方法です。

家族などの濃厚接触者における発症リスクを70〜90%低減させるという高いエビデンスがあります。

2. 【薬の比較】なぜ当院は「タミフル」一択なのか?

インフルエンザの予防薬にはいくつか種類がありますが、当院では医学的根拠と確実性の観点から、「タミフル」を強く推奨しています。その理由を比較表にまとめました。

薬剤名 タミフル
(飲み薬)
イナビル
(吸入薬)
ゾフルーザ
(飲み薬)
世界での
評価
世界標準
米国FDAも推奨
日本・韓国のみ
米国FDA未承認
耐性ウイルスの
懸念あり
小児への
確実性
◎ 確実
薬を飲めればOK
△ 不確実
勢いよく吸う力が必要
○ 1回で済む
(耐性リスクは別)
年齢の目安 新生児から
使用データあり
理論上は小学生〜
(低学年は失敗多い)
体重制限あり
当院の判定 第一選択
最も失敗が少ない
推奨度:低
吸入失敗=効果ゼロ
推奨度:低
予防には不向き
【重要】イナビルが世界で使われない理由

イナビルは米国での試験(IGLOO試験)において、条件の違いなどから偽薬との差がつかず、米国FDA(食品医薬品局)の承認は見送られました。

日本国内で行われた試験では「タミフルと同等の効果」が確認され承認されていますが、これは日本の方が早期に治療を開始できる医療環境にあることも関係していると考えられています。

当院では、お子さんの場合「吸入に失敗して効果が出ない」リスクを避けるため、予防内服に対して世界中でデータが豊富な「タミフル(飲み薬)」を採用しています。

3. タミフルの副作用について

お薬ですので、予防内服であっても副作用が出る可能性はゼロではありません。しかし、重篤なものは稀です。

主な副作用(消化器症状)

腹痛・下痢・吐き気などが数%〜10%程度の頻度で見られます。予防内服の場合は、治療量(1日2回)の半分の量(1日1回)であるため、治療時より副作用は出にくい傾向にありますが、お腹が緩くなることはあります。

異常行動について

かつて話題になった「異常行動(急に走り出す、飛び降りようとする)」ですが、その後の研究で「タミフルを飲んでいなくてもインフルエンザ自体で起こる」ことが分かっています。
現在では、10代のお子さんへのタミフル投与も医学的に問題ないとされていますが、万が一に備え、発熱してから2日間ほどは、お子さんを一人きりにしないよう配慮をお願いします。

4. 費用はいくらかかる?(当院は7,000円)

日本の健康保険制度では、予防内服は「病気の治療」ではないため全額自費(保険適用外)となります。

一般的に、都内のクリニックでは「診察料」+「薬代」で合計10,000円〜12,000円程度が相場ですが、当院では感染拡大防止の観点から、利用しやすい価格設定にしています。

当院(長田こどもクリニック)の価格
タミフル予防内服
7,000円(税込)

※診察料・お薬代をすべて含んだ総額です。
※体重やお薬の種類によって多少変動する場合があります。

5. 受験生やハイリスクな方への効果

予防内服は、以下のような状況の方に特に強く推奨されます。

  • 受験生: 入試直前(1〜2週間以内)に家族が発症した場合。
  • 受験生の家族:周囲でインフルエンザが流行している場合
  • 基礎疾患がある方: 喘息、心疾患、糖尿病などで、インフルエンザにかかると重症化しやすい方。
  • 新生児の親御さん: インフルエンザワクチンを打てない生後6ヶ月未満の赤ちゃんを守るために、親が感染を防ぐ必要がある場合。
  • どうしても休めない仕事がある方: 医療従事者や介護職、重要なプロジェクトを抱えている方など。

6. 妊婦・授乳中の方でも飲める?

「妊娠中にタミフルを飲んでも大丈夫?」「授乳中でも平気?」というご質問は非常に多いです。

Q. 妊娠中ですが、予防内服は可能ですか?

可能です。
米国CDCや日本の産婦人科学会のガイドラインでは、妊娠中のインフルエンザは重症化リスクが高いため、治療・予防ともにタミフルの使用によるメリットがリスクを上回るとされています。当院でも処方可能です。

Q. 授乳中ですが、母乳への影響はありますか?

授乳を続けることは可能です。
お薬の成分が母乳に移行する量は極めて微量であり、赤ちゃんに影響を与える可能性は低いとされています。予防内服のために授乳を中断する必要はないというのが、現在の医学的なコンセンサスです。

7. タイムリミットは「48時間」

予防内服の効果を得るためには、タイミングが命です。

インフルエンザ感染者と接触してから
「48時間以内」に飲み始める必要があります。

48時間を過ぎてしまうと、ウイルスがすでに体内で増殖している可能性が高く、予防効果が期待できなくなります。「うつったかも?」と迷っている時間はあまりありません。できるだけ早めにご相談ください。

8. まとめ・ご予約方法

インフルエンザの予防内服は、100%ではありませんが、家族内感染のリスクを劇的に下げるための「最後の砦」です。

  • 発症リスクを70〜90%低減。
  • 受験生・妊婦・授乳中の方も適応となります。
  • 当院では確実性の高いタミフル(総額7,000円)を使用します。
  • 必ず接触から48時間以内にご来院ください。

インフルエンザ予防内服のご予約

「家族が陽性になった」「受験直前で不安」という方は、
Web予約のメモ欄に「予防内服希望」と記載してご予約ください。

Web予約はこちら(24時間受付)
杉並区荻窪の小児科長田こどもクリニック

※お電話でのお問い合わせも受け付けております。

長田こどもクリニック
杉並区荻窪の小児科専門医 長田洋資
副院長

TOPへ