【小児科医が解説】子どもの「すごい耳垢」は病気のサイン?
放置は危険?ビデオ耳鏡で見る耳の中と安心の耳掃除
ある日、お子さんの耳をふと覗いてみたら、「えっ!?こんなに!?」「これ、大丈夫なの…?」と、びっくりするほどの耳垢(じこう)が詰まっていて、心配になった経験はありませんか?
「すごい量の耳垢だけど、もしかして病気?」
「聞こえにくくなっていないかな…」
「家で取ってあげたいけど、傷つけそうで怖い」
子どもの耳は小さくてデリケートなため、保護者様の心配は尽きませんよね。
この記事では、杉並区荻窪の長田こどもクリニックが、多くの保護者様が抱える「子どものすごい耳垢」に関する疑問や不安にお答えします。なぜ耳垢が大量に溜まるのか、ご家庭でのケアの限界、そして当院で行っている”親子で一緒に耳の中を見られる”「ビデオ耳鏡」を使った安心の耳垢掃除について、詳しく解説していきます。
✅ この記事でわかること
- なぜ子どもの耳垢は「すごい」状態になりやすいのか
- 「すごい耳垢」に関する保護者様のよくある疑問と答え(Q&A)
- ご家庭での耳掃除の危険性と正しい知識
- 小児科で行う「ビデオ耳鏡」を使った耳垢除去のメリット
👂 なぜ?子どもの耳垢が「すごい」ことになってしまう3つの理由
そもそも、なぜ子どもの耳垢は、大人が驚くほど大量に溜まってしまうことがあるのでしょうか。それには、子ども特有の理由があります。
理由1:新陳代謝が活発で「耳垢の製造量」が多い
子どもは成長のために、体全体の細胞がどんどん新しく生まれ変わっています。これは耳の中でも同じです。耳の穴の皮膚も新陳代謝が非常に活発で、大人よりも多くの垢(あか)が出ます。これが耳垢の主成分の一つとなるため、そもそも大人より耳垢が作られる量が多いのです。特に乳幼児期は、そのスピードが速いと言われています。
理由2:耳の穴が小さく、複雑な形で「渋滞」が起きやすい
子どもの耳の穴(外耳道)は、大人に比べてとても細く、また、S字カーブの角度も急です。そのため、自然に耳垢が外に排出される「自浄作用」がうまく働かず、出口までの道で”耳垢渋滞”が起きてしまいがちです。特に、湿性耳垢(ウェットタイプ)のお子さんの場合、粘り気があるため壁にへばりつきやすく、さらに溜まりやすい傾向があります。
理由3:良かれと思った「綿棒ケア」が耳垢を奥に押し込んでいる
「お風呂上がりに耳の入り口をそっと拭いてあげよう」と、良かれと思って使った綿棒。実はこれが、耳垢を奥へ奥へと押し込む”犯人”になっているケースが非常に多いのです。
耳垢は本来、耳の入り口から1cm程度の、毛の生えている部分でしか作られません。しかし、綿棒で掃除をすると、この耳垢をさらに奥の、本来耳垢がないはずのエリアに押し固めてしまいます。これが繰り返されることで、まるで壁のように固まった「耳垢栓塞(じこうせんそく)」という状態を引き起こしてしまうのです。
良かれと思ってしたことが、逆効果になっている可能性があります。
🤔「すごい耳垢」これって大丈夫?保護者様の心配Q&A
実際に「すごい耳垢」を目の当たりにした保護者様から、診察でよくいただく質問にお答えします。
Q1 こんなに詰まっていて、聞こえに影響はありませんか?
A. 耳の穴が完全に塞がれてしまう「耳垢栓塞」の状態になると、聞こえが悪くなる(難聴)可能性があります。また、耳が詰まった感じ(耳閉感)や、耳鳴りの原因になることもあります。お子さんがテレビの音を大きくしたり、呼びかけへの反応が鈍かったりする場合は、耳垢が原因かもしれません。
Q2 放置すると、中耳炎などの病気になりますか?
A. 耳垢自体が直接、中耳炎を引き起こすわけではありません。しかし、耳垢が大量に詰まっていると、耳の奥(鼓膜)の状態が観察できず、中耳炎の発見が遅れてしまうことがあります。また、耳垢が外耳道の皮膚を刺激して、かゆみや炎症(外耳炎)の原因になることもあります。
Q3 耳垢から嫌な臭いがするのですが、問題ありますか?
A. 湿性耳垢の場合は、もともと少し特有の臭いがあることもありますが、普段と違う強い臭いや、膿のような臭いがする場合は注意が必要です。外耳炎や、鼓膜の奥に膿がたまる急性中耳炎などが隠れている可能性があります。臭いが気になるときは、一度ご相談ください。
Q4 プールに入ると耳垢がふやけて耳を塞いでしまうことはありますか?
A. はい、よくあります。特にカチカチに固まった耳垢は、プールの水を含むとスポンジのように膨らみ、急に耳の穴を塞いでしまうことがあります。その結果、急な痛みや難聴を引き起こすことも。夏場のプールシーズンの前には、一度耳のチェックをしておくと安心です。
Q5 何歳から耳鼻科や小児科で掃除してもらえますか?
A. 0歳の赤ちゃんから可能です。特に乳児健診などで「耳垢が溜まっていて鼓膜が見えませんね」と言われた場合は、一度ご相談いただくのがおすすめです。年齢が低いほど耳の穴も小さく、ご家庭でのケアは危険ですので、専門家にお任せください。
👨👩👧👦 小児科での耳垢除去という選択|当院の「ビデオ耳鏡」なら親子で安心!
「耳垢の掃除は耳鼻科」というイメージが強いかもしれませんが、私たち小児科でも、もちろん安全に耳垢の除去を行っています。特に長田こどもクリニックでは、保護者様にも安心していただくための特別な工夫をしています。
それが、「ビデオ耳鏡」です。
メリット1:耳の中が”見える”から、親子で納得・安心!
「今、耳の中がどうなっているんだろう…」「先生、本当に取れているのかな?」
お子さんが処置されている間、保護者様は何も見えず、不安に感じることがあるかもしれません。
ビデオ耳鏡は、耳の中をカメラで映し出し、大きなモニターで保護者様も一緒にリアルタイムで確認できる医療機器です。お子さんの耳の中にどれだけ耳垢が溜まっているのか、それがどのように綺麗になっていくのかを、ご自身の目で見ていただけます。
処置前に「うわ、本当にすごい…!」と驚き、処置後に「こんなに綺麗になった!」と一緒にスッキリ感を味わえる。この”見える安心感”は、何よりのメリットです。
メリット2:丁寧な説明で、耳の状態がよくわかる
私たちは、ただ耳垢を取るだけではありません。モニターの映像をお見せしながら、「ここに大きな耳垢がありますね」「鼓膜は綺麗ですよ」「少し皮膚が赤くなっているので、お薬を出しておきましょう」といったように、現在の耳の状態を具体的に、分かりやすくご説明します。
お子さんの体のことを、保護者様が正しく理解し、安心してお帰りいただくことを大切にしています。
メリット3:子どもに優しい、怖くない処置
小児科医は、子どもの扱いのプロフェッショナルです。お子さんが怖がったり、嫌がったりしないよう、優しく声をかけながら、できるだけ短時間で処置が終わるように努めています。
また、風邪やアレルギー、スキンケアなど、耳以外の「ついで相談」ができるのも小児科ならではの強みです。「耳垢も気になるけど、鼻水も続いていて…」そんな時も、遠慮なくお声がけください。
📝 当院での耳垢除去の流れ
- 診察:まずはお子さんの様子や気になっていることをお伺いします。
- ビデオ耳鏡もしくは耳鏡で確認:保護者様と一緒にモニターで耳の中をチェック。「すごい耳垢」の状態を共有します。※0歳〜2歳の場合ビデオ耳鏡が入らないことがあります。
- 除去作業:専用の器具(耳垢鉗子や吸引管など)を使い、安全に耳垢を取り除きます。お子さんが動かないよう、スタッフが優しく体を支えます。※お子様が大暴れで危険な時は耳垢除去ができないことがあります。
- 除去後の再確認:再びビデオ耳鏡で、綺麗になった耳の中を一緒に確認します。スッキリした鼓膜を見ると、多くの方が安心されます。
🏥 杉並区荻窪で子どもの「すごい耳垢」にお悩みなら、長田こどもクリニックへ
お子さんの「すごい耳垢」。それは、保護者様にとっては大きな心配の種だと思います。
しかし、そのほとんどは病気ではなく、正しい方法で取り除けばスッキリするものです。ご家庭で無理に取ろうとすると、かえってお子さんを危険にさらしてしまう可能性があります。
「これって、病院に行くほどのことなのかな…?」
そう悩んだら、ぜひ一度、長田こどもクリニックへご相談ください。私たちは、その”ちょっとした心配事”に寄り添う、地域の「かかりつけ医」です。
まずは、ビデオ耳鏡でお子さんの耳の中を一緒に覗いてみませんか?
ご自身の目で見て、現状を正しく知ることが、安心への第一歩です。
長田こどもクリニック
〒167-0052 東京都杉並区南荻窪1-31-14
電話番号: 03-3334-2030
アクセス: JR中央線・総武線・東京メトロ丸ノ内線「荻窪駅」より徒歩10分
無料駐車場は6台分用意しています。