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【2026年最新】子どもの花粉症薬の選び方。成績を下げない対策と小児科で診るメリット

【2026年最新】子どもの花粉症薬の選び方。成績を下げない対策と小児科で診るメリット

こんにちは、荻窪の長田こどもクリニック副院長、長田洋資です。
2月に入り、「子どもが目をかゆがっている」「鼻水が止まらない」という相談が増えてきました。2026年の花粉シーズンは、昨年夏の猛暑の影響で飛散量が多くなると予測されています。

💡 必読:花粉症の飲み薬は「飛ぶ前から飲む」べき?

毎年「花粉が飛散する前から早めに飲み薬を始めましょう」という言葉を耳にしますが、実は最新医療のエビデンスにおいては誤った知識です。飲み薬はフライングして飲む必要はありません。
詳しくは前回のブログで詳しく解説していますので、まずはそちらをご覧ください。
▶︎ 【注意喚起】花粉症の薬は「飛ぶ前から飲む」べき?ネットに溢れる誤った知識と最新のエビデンス

前回のブログでお伝えした通り、飲み薬(抗ヒスタミン薬)は「症状が少しでも出たタイミング」で飲み始めるのが正解です。では、実際に症状が出たとき、お子さんに「どの薬」を選べば良いのでしょうか?

実は、薬の選び方を間違えると、知らず知らずのうちにお子さんの学校の成績低下を招く恐れがあります。今回は、最新のエビデンスに基づいた「正しい薬の選び方」と、「小児科で花粉症を診るメリット」について解説します。

当院のブログが目指すこと:エビデンスに基づく情報発信

私たち杉並区荻窪の長田こどもクリニックは、小児科診療において、1個人の意見や古い慣習ではなく、常に科学的根拠(エビデンス)に基づいた診断と治療を最優先にしています。

1. 薬で成績が下がる?「インペアード・パフォーマンス」の真実

⚠️ 保護者の方へ:一番知ってほしいこと

「この薬、眠くならないから大丈夫」とお子さんが言っていても、実は脳の機能が低下していることがあります。

抗ヒスタミン薬(花粉症の薬)が脳に入り込み、神経の働きをブロックしてしまうことを「インペアード・パフォーマンス(Impaired Performance:能力障害)」と呼びます。

学習効率への影響は「アルコール」に匹敵

東北大学の谷内一彦教授らの研究[1]によると、薬が脳の受容体をどれくらい占拠しているか(H1受容体占拠率)が高いと、自覚的な眠気がなくても、以下のようなリスクが生じます。

  • 集中力の低下
  • 計算ミスの増加
  • 判断スピードの遅れ

さらに、米国のWeilerらによるドライビングシミュレータを用いた研究[2]では、特に鎮静性(脳に入りやすい)の強い古い抗ヒスタミン薬を服用した際のパフォーマンス低下は、血中アルコール濃度0.1%(ウイスキーのシングル3杯分相当)の状態よりも悪かったという衝撃的なデータが報告されています。

勉強盛りの小学生や受験生にとって、これは見過ごせない副作用です。薬の選択を誤ると、眠気を感じていなくても、脳は「ほろ酔い状態」と同じくらい機能が落ちている可能性があるのです。

2. エビデンスで選ぶ!お子さま向け花粉症薬の比較表

当院では、単に鼻水を止める効果だけでなく、「脳への影響(学習への支障)」を考慮して処方を行っています。以下はH1受容体占拠率[1]に基づいた分類です。

タイプ 代表的な薬 特徴・推奨される子
【安全性重視】
非鎮静性
(占拠率20%以下)
アレグラ
(フェキソフェナジン)
ビラノア
(ビラスチン)
脳内占拠率が非常に低く、プラセボ(偽薬)と変わらないレベルです。インペアード・パフォーマンスを起こしにくいため、受験生や勉強・スポーツに集中したい子に最適です。
【バランス型】
軽度鎮静性
(占拠率20-50%)
クラリチン
(ロラタジン)
デザレックス
1日1回で済むものが多く、飲み忘れが心配な子に。効果と副作用のバランスが良いタイプです。
【強さ重視】
鎮静性
(占拠率50%以上含む)
アレロック
(オロパタジン)
ザイザル
(レボセチリジン)
鼻症状を抑える力が強いですが、脳内移行性がやや高く、人によっては眠気が出る可能性があります。症状が重い時に選択します。しかし上記のアルコールに匹敵するような古い薬ほどの強烈な副作用にはなりませんのでご安心下さい。

3. なぜ「耳鼻科」ではなく「小児科」なのか?全身を診るメリット

💡 One Airway, One Disease(ひとつの気道、ひとつの病気)

これは世界的なアレルギー診療の合言葉(ARIAガイドライン[3])です。鼻(上気道)と肺(下気道)はつながっており、別の病気ではなく「ひとつのつながった病気」として捉える必要があります。

花粉症で来院されるお子さんの中には、実は「未診断の喘息」を持っていたり、花粉による「肌荒れ(花粉皮膚炎)」を併発している子が非常に多くいます。

📊 統計が示す「合併率」の高さ
  • 喘息との合併:
    小児喘息患者の約60〜80%がアレルギー性鼻炎を合併しており、逆にアレルギー性鼻炎患者の約20〜35%が喘息を持っています。「鼻だけ」見ていては、喘息の兆候を見逃すリスクがあります。
  • アトピー性皮膚炎との合併:
    アレルギー性鼻炎を持つ小児の多くが、アトピー性皮膚炎の既往や合併(約20〜40%)を持っています。いわゆる「アレルギーマーチ(行進)」の視点で、皮膚の状態も同時にケアする必要があります。

当院では必ず「鼻」と「胸」の音、皮膚を確認します

長田こどもクリニックでは、たとえ「花粉症の薬が欲しい」という受診であっても、問診だけで薬を出すことはありません。

  • 鼻粘膜の直接確認:耳鏡を用いて、鼻の中の腫れ具合や色を確認し、アレルギーか感染症かを見極めます。
  • 聴診(胸の音を聞く)の徹底:咳の原因が、鼻水がのどに落ちているせいなのか、喘息発作が起きているのかを聴診器で聞き分けます。
  • 皮膚の確認:皮膚の痒みが花粉によるものなのかアトピーの併発なのか判断します。

「アトピー性皮膚炎」や「食物アレルギー」など、お子さんが持つ他のアレルギー体質も含めてトータルで管理できるのが、かかりつけ小児科の最大の強みです。

4. 【Q&A】よくある質問に答えます

「薬を飲んでも眠くならない」と子どもが言っていますが大丈夫ですか?
無自覚の「インペアード・パフォーマンス」に注意が必要です。
眠気を感じていなくても、脳の集中力や処理速度が落ちている可能性があります。勉強や習い事に集中させたい場合は、アレグラやビラノアなどの「非鎮静性」の薬を選ぶことをお勧めします。
市販の点鼻薬を使ってもいいですか?
「血管収縮剤」入りの点鼻薬には注意が必要です。
市販薬の一部には即効性を持たせるために血管収縮剤が含まれていますが、使いすぎると逆に鼻粘膜が腫れて治らなくなる「薬剤性鼻炎」を引き起こすリスクがあります。お子さんには、ステロイド点鼻薬など安全性の高い処方薬をおすすめします。
咳だけが止まりません。花粉症でしょうか?
花粉症による咳、または喘息の可能性があります。
花粉が喉の粘膜を刺激して咳が出ることもありますが、感染症や喘息との鑑別も必要です。これを見極めるためにも、ぜひ聴診のできる小児科を受診してください。

5. まとめ

子どもの花粉症治療は、単に「鼻水を止める」だけではありません。
「学校でのパフォーマンス(成績)を守る」こと、そして「喘息やアトピーなど全身のアレルギーをコントロールする」ことがゴールです。

当院ではアレルギー性鼻炎はご両親も一緒に受診することが可能です。ご家族でアレルギー性鼻炎の治療を開始しましょう。
ひとりひとりにアレルギーマーチに関連ある症状の精査を怠ることはありません。長田こどもクリニックでは、お子さん一人ひとりの「勉強への集中」や「体質」に合わせた、オーダーメイドの処方を行っています。
症状がひどくなる前に、Web予約からお気軽にご相談ください。

長田こどもクリニック
〒167-0052 東京都杉並区南荻窪1-31-14
小児科専門医・副院長 長田洋資

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