長引く咳やゼーゼー、鼻水・鼻づまりもありませんか? 最新エビデンスに基づいた小児アレルギー総合診療
お子さんの長引く咳や、息苦しそうなゼーゼー(喘鳴)は、保護者の方にとってご心配の種だと思います。これらの症状は「喘息」の典型的なサインですが、実は鼻水や鼻づまりといった「鼻の症状」とも密接に関わっていることをご存知でしょうか?
鼻と肺は離れているように見えますが、呼吸をする上で空気の通り道として、ひとつながりの「気道」として機能しています。この「ひとつの気道(Unified Airway)」という考え方は、近年特に注目されており、鼻や副鼻腔(鼻の周りの空洞)の病気が、肺である気管支や肺の病気に影響を与えることが分かってきています。
世界的に信頼される医学雑誌が示す、小児の鼻副鼻腔炎と喘息の強い関連性
「鼻と肺はつながっている」という考え方は以前からありましたが、近年の研究でその関係性がさらに明確になり、特に小児において重要視されています。
例えば、アレルギーや鼻科学分野で世界的に非常に信頼性の高い医学雑誌である「International Forum of Allergy and Rhinology」に2023年に掲載された最新の論文でも、小児の鼻副鼻腔炎と喘息の間に強い関連性があることが改めて報告されています。(出典: Int Forum Allergy Rhinol. 2023 Sep;13(9):1758-1782. doi: 10.1002/alr.23130. Epub 2023 Jan 18. PMID: 36579899.)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36579899/
この「International Forum of Allergy and Rhinology」誌は、主に米国の鼻科学会(American Rhinologic Society - ARS)や米国耳鼻咽喉科アレルギー学会(American Academy of Otolaryngic Allergy - AAOA)といった、その分野で権威ある学会の公式ジャーナルであり、掲載される情報の信憑性は非常に高いとされています。小児の鼻副鼻腔炎と喘息の関連性を強く支持しているのです。
副鼻腔炎が小児喘息に与える影響
上記の論文をはじめとする多くのエビデンスが示唆しているのは、お子さんに副鼻腔炎があると、喘息の症状が悪化しやすくなったり、喘息の治療をしてもコントロールがつきにくくなったりする可能性があるということです。鼻や副鼻腔で起きている炎症が、気道を伝わって肺にも影響を及ぼし、気管支の炎症や過敏性を高めてしまうと考えられています。
鼻水や鼻づまりがひどい、あるいは長引くお子さんで、咳やゼーゼーも繰り返す場合は、副鼻腔炎が喘息を悪化させている、または喘息のコントロールを妨げている可能性も考慮する必要があります。
なぜ総合的な診療が大切なのでしょうか?
お子さんの呼吸器の症状を考えるとき、咳が出るから肺だけを診る、鼻水が出るから鼻だけを診る、というように分けて考えてしまうと、根本的な問題を見落としてしまうことがあります。
鼻と肺は「ひとつの気道」として密接に連携しているため、鼻や副鼻腔の炎症を適切に治療しないと、喘息の治療だけでは十分な効果が得られないことがあります。逆に、喘息の治療をしっかりと行うことが鼻の症状の改善にもつながることもあります。
だからこそ、耳鼻科で副鼻腔、呼吸器科で喘息、と分けて診るのではなく、鼻、副鼻腔、気管支、肺といった呼吸器全体を、アレルギー疾患という視点も含めて、総合的に診察することがお子さんにとって非常に重要なのです。
当院の取り組み:鼻腔粘膜の診察を重視したアレルギー疾患総合診療
長田こどもクリニックでは、このような最新の医学的知見に基づき、お子さんの喘息を含むアレルギー疾患の総合的な診療を行っています。
特に、お子さんの喘息の診断や、現在の喘息の状態を詳しく把握する際には、問診や聴診、必要に応じたレントゲン検査などに加えて、鼻腔粘膜の状態をしっかりと診察することを重視しています。これは、鼻や副鼻腔に炎症がないか、アレルギー性鼻炎など他のアレルギー疾患がないかを確認し、喘息の病態全体を正確に把握するためです。
私たちは、お子さんの咳やゼーゼーといった呼吸器症状と、鼻水、鼻づまり、鼻を痒がる、といった鼻症状の両方に目を向け、これらをアレルギー疾患全体の一部として捉え、総合的に診察・治療することを心がけています。耳鼻科的なアプローチと呼吸器科的なアプローチの両面からお子さんをサポートいたします。
お子さんの長引く咳や鼻の症状、お気軽にご相談ください
お子さんの長引く咳やゼーゼーに加え、なかなか治らない鼻水や鼻づまり、あるいは鼻をよく気にする様子などが見られましたら、「喘息かな?」「副鼻腔炎かな?」と別々に悩まずに、どうぞお気軽に当院にご相談ください。
お子さんの健やかな呼吸と成長のために、鼻と肺の両面から、そしてアレルギー疾患全体を考慮した総合的な診療をご提供いたします。
当院、長田こどもクリニックは杉並区南荻窪にございます。 練馬方面からもお車で15分程度でアクセス可能です。駐車場も完備しておりますので、お車でも安心してご来院いただけます。
お子さんの気になる症状がありましたら、まずはお電話またはインターネット予約にてご予約ください。
【当院の診療について】
お子さんの鼻症状と咳嗽でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
https://www.osadaclinic.com/sinusitis/
予約はこちらからhttps://c.inet489.jp/osd2030/yoyaku/login.cgi?recno=&birth=