食物アレルギー

『食物アレルギーとは・・・』

食物アレルギーある特定の食べ物の成分でアレルギーを引き起こしてしまうことを食物アレルギーと呼びます。

症状は多岐にわたり、最も軽症な口腔内の違和感に始まり、顔面の腫れや赤み、もう少し重ければ全身の蕁麻疹、さらには嘔吐、下痢といった消化器症状、命に関わる重症なものとしては、咳、声がれ、呼吸困難などの呼吸器症状、顔色不良、血圧低下などの循環器症状等、様々です。



食物アレルギーの診断と治療方針

食物アレルギー一般的には血液検査でアレルギー抗体を調べることが多いのですが、イメージされるほど正確な検査とは言えません。

当院の経験でも、明らかなゴマの誤食 (まちがえて食べてしまうこと)で、3回のアナフィラキシー・ショックを起こした経歴がありながら、血液検査ではゴマが陰性の患者様や、コムギの検査が、よく知られていますが、アレルギーの検査で強い陽性反応が出ているのに、コムギにアレルギー反応を示したことがなかったり、コムギが陰性にもかかわらず、小麦粘土に触れただけで呼吸困難を起こす患者様が居たりしますので、アレルギーを示す証明というよりは、傾向を掴む助けぐらいに考えるべきだと思います。

食物アレルゲンを、最も正確に評価する方法は、残念ながら原始的ではありますが、極々、少量から食べてみる(チャレンジテスト)以外の方法はありません。

強いアレルギー症状の既往がある方は、大きな病院と連携していますので、まずはそこでチャレンジテストが施行できるよう御紹介いたします。
軽度の症状しか出たことがない方は、当院にてチャレンジテストを施行します。

食物アレルギーのお子様を持つご両親様へのメッセージ

院長メッセージ最近10年間で食物アレルギーについての考え方が大きく進歩しました。それが早期離乳食の勧めです。
各国から様々な経口抗原についてのデータが揃ってきており、そのいずれもが、早期離乳食の方が、明らかに食物アレルギーが減ることを示しているのです。

言い伝えの医学では、「早期に食事制限をしないと、将来、ひどいアトピーになり、その先も一生、喘息で苦しめられますよ。」等の脅し文句が幅を聞かせてきたために、不必要な、つらい食事制限を強いられたにあげく、逆に食物アレルギーになっていた方が多いのではと想像されます。正確な食物アレルギーの診断が不可欠です。