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【小児科医が徹底解説】赤ちゃんの予防接種|効果・副反応の全知識とVPDの本当の怖さ

【目次】

  1. はじめに:赤ちゃんの予防接種、気になるアレコレを解決!
  2. 予防接種の「基本のき」~よくあるご質問にお答えします~
    • Q1. 「同時接種って本当に大丈夫? 赤ちゃんに負担じゃないの?」
    • Q2. 「ワクチン打ったら、逆に病気になっちゃうんじゃないの?」
    • Q3. 「昔はこんなワクチンなかったけど、本当に全部必要?」
    • Q4. 「ちょっとくらいなら…ワクチン、先延ばししても大丈夫?」
    • Q5. 「あのワクチンって、何から守ってくれるの?ピンとこない…」
  3. 知っておきたい!代表的なワクチンの種類と効果を分かりやすく解説
    • 小児用肺炎球菌ワクチン:重い肺炎や髄膜炎から赤ちゃんを守る!
    • 五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib):5つの怖い病気をまとめて予防!
    • ロタウイルスワクチン:口から飲んで、激しい下痢・嘔吐からガード!
    • B型肝炎ワクチン:将来の肝臓病予防に不可欠!
    • BCGワクチン:ハンコ注射の後はどうなるの?結核から赤ちゃんを守る!
    • 水痘(みずぼうそう)ワクチン:「かかった方がマシ」は大きな誤解!2回接種でしっかり予防
    • おたふくかぜ(ムンプス)ワクチン(任意接種):任意だけど重要!合併症のリスクとは?
    • MR(麻しん風しん混合)ワクチン:感染力が非常に強い!自分と周りの人を守るために必須
    • 日本脳炎ワクチン:蚊が媒介する怖い病気、まだあるの?正しい知識で備えよう
    • インフルエンザワクチン(子ども):毎年接種で重症化を防ぐ!
  4. まとめ:予防接種で、赤ちゃんの未来と笑顔を守りましょう!
  5. 長田こどもクリニックからのお知らせ

1. はじめに:赤ちゃんの予防接種、気になるアレコレを解決!

杉並区荻窪で診療を行う、長田こどもクリニックです。 大切なお子さんの予防接種。「種類がたくさんあってよく分からない」「副反応が心配」「本当に全部必要なの?」など、たくさんの疑問や不安をお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。 このブログでは、赤ちゃんの予防接種に関するよくあるご質問や、代表的なワクチンの種類と効果について、分かりやすく解説していきます。正しい知識を身につけて、安心して予防接種を受けられるように、一緒に学んでいきましょう!

2. 予防接種の「基本のき」~よくあるご質問にお答えします~

Q1. 「同時接種って本当に大丈夫? 赤ちゃんに負担じゃないの?」

「先生!一度にこんなにたくさん注射して、うちの子、本当に大丈夫なんですか…?」というご心配、よく分かります。

でも、ご安心ください!実は同時接種は、赤ちゃんにとっては別々に何回も通院して注射するよりも、むしろ負担が少ないと考えられています。理由は以下の通りです。

  • 通院回数が減る: 赤ちゃんや保護者の方の負担を軽減できます。特に働く保護者の方にとっては大きなメリットです。
  • 早く免疫を獲得できる: 複数の病気に対する免疫を効率よく、早い段階でつけることができます。これにより、危険な感染症から早期に赤ちゃんを守ることができます。
  • 副反応のリスクは変わりません: 同時接種だからといって、副反応が出やすくなったり、強く出たりするということは基本的にありません。それぞれのワクチンの副反応の頻度や程度は、単独で接種した場合と変わらないことが分かっています。
  • 世界のスタンダード: 日本だけでなく、世界中の多くの国で同時接種は安全かつ効果的な方法として推奨されています。

長田こどもクリニックでは、赤ちゃんとご家族にとって最適な接種スケジュールをご提案し、安心して同時接種を受けていただけるよう努めています。

Q2. 「ワクチン打ったら、逆に病気になっちゃうんじゃないの?」

「ワクチンって、病気の菌を入れるんですよね?それで病気になっちゃったりしないんですか…?」というご質問もよくいただきます。とても良い質問ですね!

ワクチンは、病原体(ウイルスや細菌)そのものを注射するわけではありません。病気の"毒"を抜いたり(無毒化)、病原性を弱めたり(弱毒化)した安全なものを使用します。

ワクチンの仕組みを例えるなら、体に「練習試合」をさせるようなものです。本物の強い病原体が体内に侵入してきたときに、体が効率よく戦えるように、あらかじめ免疫システムに「こういう敵が来るよ」と教えておくのです。

確かに、ワクチン接種後に熱が出たり、注射した場所が腫れたりする「副反応」が出ることがあります。これは、体が免疫を作ろうと頑張っている正常な反応です。ほとんどの場合、一時的で数日のうちに軽快します。

しかし、本物の病気にかかってしまった場合のリスク(重症化、後遺症など)は、ワクチンの副反応とは比べ物になりません。 ワクチンで予防できる病気は、時に命に関わったり、深刻な後遺症を残したりするものが多いのです。 正しく知って、賢く予防しましょう。

Q3. 「昔はこんなワクチンなかったけど、本当に全部必要?」

「私たちの頃は、こんなにたくさんワクチン、打たなかったわよ~」とおばあちゃん世代から言われたり、「本当に全部必要なの?」と疑問に思われることもあるかもしれませんね。

医学は日々進歩しています。 昔は予防できなかった病気や、重症化しやすかった病気も、今はワクチンでしっかりと予防できるようになりました。ワクチンのおかげで、多くの子どもたちが命を落としたり、重い後遺症に苦しんだりすることなく、元気に成長できています。

また、「集団免疫」という考え方も非常に重要です。多くの人がワクチンを接種することで、社会全体で病気の流行を防ぐことができます。これにより、ワクチンをまだ接種できない月齢の低い赤ちゃんや、病気など特別な理由でワクチンを接種できない子どもたちも間接的に守ることにつながるのです。

一つ一つのワクチンには、それぞれ守るべき大切な役割があります。

Q4. 「ちょっとくらいなら…ワクチン、先延ばししても大丈夫?」

「先生、忙しくて…ワクチンの推奨時期から少し遅れちゃっても、大丈夫でしょうか…?」お忙しい中でのスケジュール管理、本当に大変ですよね。お気持ちはよく分かります。

しかし、ちょっと待ってください! ワクチンの推奨接種時期は、決して適当に決められているわけではありません。

  • 赤ちゃんがその病気にかかりやすい年齢・月齢
  • ワクチンを接種した際に、最も効果的に免疫がつきやすい時期

などを考慮して、科学的根拠に基づいて定められています。

推奨時期を逃してしまうと、その間に病気にかかってしまうリスクが高まったり、いざという時に十分な免疫がついていない可能性があります。

もちろん、やむを得ない事情で遅れてしまうこともあるかと思います。その場合は、できるだけ早くかかりつけ医にご相談いただき、適切な接種スケジュールを再調整してもらうことが大切です。計画接種で、しっかりガード

Q5. 「あのワクチンって、何から守ってくれるの?ピンとこない…」

「ヒブ?肺炎球菌?ロタ?五種混合ってなにが入っているの?よく分からなーい!」というお気持ち、よく分かります。ワクチンの名前は専門的で、具体的にどんな病気を防ぐのかイメージしにくいかもしれませんね。

いくつか例を挙げてみましょう。

  • 小児用肺炎球菌ワクチンやHib(ヒブ)ワクチン(五種混合に含まれる): これらは、細菌性髄膜炎という、脳や脊髄を覆う膜に細菌が感染して炎症を起こす、非常に怖い病気を予防します。細菌性髄膜炎は、命を落としたり、発達の遅れや聴力障害などの重い後遺症を残すことがあります。私も重症身体障害者施設で働いてきた経験がありますが、一定数細菌性髄膜炎を景気に生涯寝たきりとなってしまったお子さんがいらっしゃいます。
  • ロタウイルスワクチン: 乳幼児に多い、激しい嘔吐や下痢を引き起こすロタウイルス胃腸炎を予防します。脱水症状がひどくなると入院が必要になることもあります。

このように、一つ一つのワクチンが、赤ちゃんの命と健康を守るための大切な「盾」 のような役割を果たしています。

ご不明な点があれば、いつでもお気軽にご質問ください。それぞれのワクチンがどのような病気を防ぎ、なぜ大切なのかを丁寧にご説明いたします。

3. 知っておきたい!代表的なワクチンの種類と効果を分かりやすく解説

ここからは、代表的なワクチンについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

小児用肺炎球菌ワクチン:重い肺炎や髄膜炎から赤ちゃんを守る!

  • 肺炎球菌ってよく聞くけど、どんな病気を起こすの?
  • 効果と重要性:

肺炎球菌は、様々な感染症の原因となる細菌です。特に小さなお子さんの場合、 肺炎球菌による細菌性髄膜炎(脳や脊髄を覆う膜の重い感染症)や、重い肺炎、菌血症(血液中に菌が入る)、中耳炎などを引き起こすことがあります。中でも細菌性髄膜炎は、命に関わったり、後遺症(てんかん、発達の遅れ、難聴など)を残したりする可能性が高い非常に怖い病気です。小児用肺炎球菌ワクチン(PCV)は、この肺炎球菌の中でも特に病気を起こしやすい複数の型に対する免疫をつけることで、これらの重い病気(侵襲性肺炎球菌感染症)の発症を劇的に減少させる効果があります。定期接種として、生後2ヶ月から接種が推奨されています。

  • 副反応と補足: 注射部位の赤み、腫れ、しこり、発熱などが見られることがありますが、ほとんどは数日で自然に回復します。ワクチン接種によって完全に肺炎球菌感染症を防げるわけではありませんが、重症化や命に関わるリスクを大幅に下げることができる、赤ちゃんを守るために非常に重要なワクチンです。 (怖い合併症や命に関わるリスクを予防!)

五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib):5つの怖い病気をまとめて予防!

  • 五種混合ワクチンって何に効くの?5つの病原菌から赤ちゃんを守る!
  • 効果と重要性:
    • ジフテリア: 喉などに感染し、呼吸困難や心筋炎などを起こすことがあります。重症化すると、約5~10%が死亡する とも言われています。
    • 百日せき: 特有の激しい咳発作が長く続き、特に乳児では呼吸困難や肺炎、脳症などを起こし重症化しやすい病気です。
    • 破傷風: 傷口などから菌が侵入し、全身のけいれんなどを起こします。適切な治療が遅れると命に関わります。
    • ポリオ(急性灰白髄炎): 手足に麻痺が残ることがある病気です。
    • Hib(インフルエンザ菌b型)感染症: 細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎など、重篤な感染症の原因となります。Hib髄膜炎は、治療を受けても約2~5%が死亡し、約20~25%に後遺症が残る可能性 があります。 この五種混合ワクチンは、これらの5つの怖い病気を1本の注射でまとめて予防 することができます。赤ちゃんへの負担を減らしつつ、効率的に免疫を獲得できる非常に重要なワクチンです。
  • 副反応と補足: 注射部位の赤み、腫れ、しこり、発熱などが見られることがありますが、多くは数日以内に自然に回復します。一時的な副反応のリスクと、5つの病気にかかるリスクを天秤にかければ、ワクチンの重要性をご理解いただけると思います。(軽い副反応 < 5つの病気の脅威)

ロタウイルスワクチン:口から飲んで、激しい下痢・嘔吐からガード!

  • ロタウイルスって、あの胃腸炎のこと?ワクチンあるの? 効果と重要性:
    • ロタウイルスは、乳幼児の重症胃腸炎の原因として最も多いウイルスです。 突然の激しい嘔吐と下痢が特徴で、脱水症状を起こしやすく、点滴や入院が必要になることも少なくありません。非常に感染力が強く、あっという間に保育園などで広がります。ロタウイルスワクチンは、このロタウイルスによる胃腸炎の発症を予防し、特に重症化を防ぐ効果が非常に高い(入院が必要になるケースを大幅に減らす)ことが確認されています。飲むタイプのワクチン(経口ワクチン)で、生後早い時期(生後6週以降)から開始し、ワクチンによって2回または3回の接種が必要です。
    •  
  • 副反応と補足: 接種後にぐずり、下痢、嘔吐が見られることがありますが、多くは一時的で軽度です。非常に稀ですが、腸重積症(腸が折り重なって詰まる病気)との関連が指摘されており、接種後特に1週間程度は注意が必要ですが、ワクチンによるリスクは極めて低く、ロタウイルス胃腸炎にかかった場合の重症化リスクや入院リスクと比べると、ワクチンを接種するメリットの方がはるかに大きいと考えられています。 (激しい症状と入院リスクを回避!)

B型肝炎ワクチン:将来の肝臓病予防に不可欠!

  • B型肝炎って大人の病気じゃないの?赤ちゃんにも必要なの? 効果と重要性:
    • B型肝炎ウイルスは、肝臓に感染するウイルスです。大人が感染した場合、多くは一時的な感染で済みますが、赤ちゃん(特に生後間もない頃)が感染すると、ウイルスを排除できずに「持続感染(キャリア化)」しやすいという特徴があります。この持続感染者の中から、将来的に慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんといった重い肝臓病を発症する方がいます。B型肝炎は血液や体液を介して感染しますが、母親がキャリアの場合、出産時に赤ちゃんに感染させてしまう(垂直感染)こともあります。B型肝炎ワクチンは、このB型肝炎ウイルスの感染を予防することで、将来の重い肝臓病(肝硬変や肝臓がん)を防ぐために非常に重要なワクチンです。定期接種として、生後2ヶ月から接種が推奨されており、計3回の接種が必要です。
  • 副反応と補足: 注射部位の赤み、腫れ、痛みや、発熱などが見られることがありますが、多くは軽度で自然に回復します。世界的に見てもB型肝炎ワクチンは広く使用されており、安全性も確立しています。赤ちゃんのうちに感染するリスクをなくし、将来の健康を守るために必ず接種しましょう。(将来の重い病気から守る!)

BCGワクチン:ハンコ注射の後はどうなるの?結核から赤ちゃんを守る!

  •  BCGワクチン、ハンコ注射の後はどうなるの?正しい経過を知って安心!
  • 効果と重要性: BCGワクチンは、結核、特に子どもがかかると重症化しやすい結核性髄膜炎や粟粒結核を予防 する効果があります。結核は過去の病気と思われがちですが、現在でも日本で発生している感染症です。BCGを接種することで、これらの重い結核の発症リスクを約4分の1以下に減らす ことができます。生後1歳までの接種が推奨されています。
  • 接種後の経過と副反応: BCGワクチンは「管針(ハンコ注射)」という方法で接種します。
    • 接種後10日頃から: 注射した場所に赤いポツポツが出てきます。
    • 接種後1~2ヶ月頃: その一部に小さな膿が出たり、かさぶたができたりします。これは正常な免疫反応 で、特に心配はいりません。
    • 接種後3ヶ月頃までには: 自然に治り、小さな瘢痕(あと)が残ります。
    • コッホ現象: もし赤ちゃんがBCG接種前に結核に感染していた場合、接種後数日以内に接種部位が強く赤く腫れたり、膿が出たりすることがあります。これをコッホ現象といい、この場合は速やかに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受ける必要があります。
    • その他: 稀に、脇の下のリンパ節が腫れることがありますが、多くは自然に治ります。

水痘(みずぼうそう)ワクチン:「かかった方がマシ」は大きな誤解!2回接種でしっかり予防

  • みずぼうそう、かかった方がマシって本当?否! ワクチンで賢く予防!
  • 効果と重要性: 「みずぼうそう(水痘)は、軽く済むからかかった方がいい」というのは大きな誤解です!ワクチンでしっかり予防しましょう。 水痘ワクチンは、1回の接種で重症化をほぼ100%予防し、2回の接種で発症そのものを約90%以上予防 することができます。 自然にかかると、全身に強いかゆみを伴う水疱ができ、発熱することもあります。それだけでなく、
    • 皮膚の細菌感染
    • 肺炎
    • 気管支炎
    • 脳炎(1,000~2,000人に1人程度で発症し、そのうち約5~20%に後遺症が残ることも) といった合併症のリスク があります。また、水疱の痕が残ってしまうこともあります。ワクチンを接種することで、これらのリスクを大幅に減らすことができます。
  • 副反応と補足: 接種後に軽い発熱や、数個の発疹が出ることがありますが、自然にかかるよりも症状はずっと軽いです。一時的な副反応のリスクと、全身の発疹、強いかゆみ、そして怖い合併症のリスクを比較すれば、ワクチンのメリットは明らかです。

おたふくかぜ(ムンプス)ワクチン(任意接種):任意だけど重要!合併症のリスクとは?

  • おたふくワクチン(任意接種)、打った方がいい?合併症の怖さを知ろう!
  • 効果と重要性: おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)ワクチンは任意接種(杉並区で初回は4000円の助成金あり)ですが、長田こどもクリニックでは接種を強く推奨しています。 おたふくかぜは、耳の下(耳下腺)の腫れや痛みが特徴ですが、怖いのは合併症 です。
    • 無菌性髄膜炎: 約1~10%と、比較的高い頻度で合併します。高熱、頭痛、嘔吐などの症状が出ます。
    • 難聴(ムンプス難聴): 約0.01~0.1%(数百~数千人に1人)の頻度で起こり、一度起こると聴力の回復は困難 とされています。片耳だけのこともあれば、両耳に起こることもあります。
    • 精巣炎・卵巣炎: 思春期以降にかかると、男性では約20~30%に精巣炎を、女性では約5%に卵巣炎を合併することがあり、不妊の原因になることもあります。
    • その他、膵炎や腎炎などを起こすこともあります。 おたふくかぜワクチンを2回接種することで、発症を約90%以上予防 し、これらの重い合併症を防ぐ効果が期待できます。
  • 副反応と補足: 接種後2~3週間経ってから、軽い耳下腺の腫れや発熱が約1%程度に見られることがあります。無菌性髄膜炎の副反応は極めて稀(数万~数十万接種に1人程度)と報告されています。稀な副反応のリスクと、回復困難な難聴などの合併症リスクを考えると、接種のメリットは大きいと言えます。(合併症リスクを回避!)

MR(麻しん風しん混合)ワクチン:感染力が非常に強い!自分と周りの人を守るために必須

  • MRワクチン、本当にそんなに大事?感染力最強クラスの病気を知ろう!
  • 効果と重要性: MRワクチンは、麻しん(はしか)と風しんを予防する、非常に重要なワクチンです。
    • 麻しん(はしか): 感染力が極めて強く、「空気感染」もするため、同じ空間にいるだけで感染する可能性があります。高熱、咳、鼻水、目の充血といった症状の後、全身に赤い発疹が出ます。肺炎や脳炎を合併することがあり、麻しん患者の約5~10%に合併症が見られ、先進国であっても死亡する例や後遺症が残る例があります。
    • 風しん: 発熱、発疹、リンパ節の腫れなどが主な症状です。子どもは比較的軽症で済むことが多いですが、大人がかかると重症化しやすい傾向があります。最も問題となるのは、妊娠初期の女性が感染した場合に、お腹の赤ちゃんに影響が出て「先天性風しん症候群(目や耳、心臓などに障害が出る)」を引き起こす可能性がある ことです。 MRワクチンを2回接種することで、麻しん・風しんともに95%以上の人が免疫を獲得 できます。自分自身を守ることはもちろん、周りの人(特に妊婦さんや小さな赤ちゃん)を守るためにも、必ず2回接種しましょう。
  • 副反応と補足: 接種後、数日~2週間以内に発熱や発疹が約10~20%に見られることがあります。これは麻しんワクチンの成分によるもので、一時的なものです。本物の麻しんの症状や合併症リスクに比べれば、ずっと軽いものです。(副反応より病気が怖い!)

日本脳炎ワクチン:蚊が媒介する怖い病気、まだあるの?正しい知識で備えよう

  • 日本脳炎って、まだあるの?蚊に刺される前に知っておきたいこと!
  • 効果と重要性: 「日本脳炎」という名前から、日本特有の昔の病気というイメージがあるかもしれませんが、現在も東アジア・南アジアを中心に流行が見られる感染症です。日本国内でも、豚の日本脳炎ウイルス感染は確認されており、ウイルスを持つ豚を刺した蚊(主にコガタアカイエカ)に人が刺されることで感染 します。 感染しても多くの場合は無症状ですが、発症すると高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどを起こし、脳炎に進むと約20~40%が死亡し、生存者の約45~70%に麻痺や精神障害などの重い後遺症 が残るとされています。 日本脳炎ワクチンを接種することで、この発症を効果的に予防 することができます。標準的な接種スケジュールは、基礎免疫として3歳頃から2回、その約1年後に追加1回、さらに9歳頃に1回の計4回です。特に流行地域にお住まいの方や、流行地域へ渡航される方は重要です。
  • 副反応と補足: 接種後に発熱、咳、鼻水、接種部位の腫れや赤みなどが数%~十数%に見られることがあります。非常に稀ですが、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という重い副反応の報告もあります。しかし、日本脳炎を発症した場合の致死率や後遺症率の高さと比較すると、ワクチンの重要性は高いと言えます。(重い後遺症から守る!)

インフルエンザワクチン(子ども):毎年接種で重症化を防ぐ!

  • インフルエンザワクチン、子どもに本当に効くの?毎年の備えが大切!
  • 効果と重要性: 毎年流行するインフルエンザ。お子さんの場合は、稀ではありますが脳症(日本で年間100-200例)などの重い合併症を引き起こすことが何より心配です。 インフルエンザワクチンは、接種すれば絶対にインフルエンザにかからないというものではありません。しかし、
    • インフルエンザ脳症は死亡することがある病気です。もし改善しても後遺症を残す可能性が25%程度と言われいます。しかしワクチンを打つことでほぼ100%インフルエンザ脳症を防ぐことができます。
    • 発症するリスクをある程度(約60%程度)減少させる効果
    • 特に、入院や重症化(脳症や肺炎など)を防ぐ効果 が期待できます。効果は、その年の流行株とワクチンの型がどれくらい一致するかや、お子さんの年齢などによっても変動します。 インフルエンザウイルスは毎年少しずつ形を変えて流行するため、毎年、流行シーズン前に接種することが重要です。
  • 副反応と補足: 接種した場所の赤み、腫れ、痛みや、発熱、頭痛、だるさなどが約10~20%に見られることがありますが、多くは1~3日で軽快します。一時的な副反応のリスクと、インフルエンザにかかった場合の高熱や重症化リスクを天秤にかけると、特に集団生活を送るお子さんや基礎疾患のあるお子さんにとっては、接種のメリットが大きいと考えられます。(重症化を防ぐお守り!)
  • インフルエンザ脳症、心筋炎を予防し、命に関わるリスクを低下させることが最大の目的にです。

4. まとめ:予防接種で、赤ちゃんの未来と笑顔を守りましょう!

今回は、赤ちゃんの予防接種に関する様々な疑問や、代表的なワクチンの種類について解説しました。 予防接種は、大切な赤ちゃんを怖い感染症から守るための、最も効果的で安全な方法の一つです。そして、多くの人が接種することで社会全体を感染症から守る「集団免疫」にも貢献します。

長田こどもクリニックでは、保護者の皆様の不安や疑問に丁寧にお答えし、安心して予防接種を進められるようサポートいたします。接種スケジュールのご相談や、個別の状況に合わせたアドバイスも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

「予防接種で未来を守ろう!」 長田こどもクリニックは、子どもたちの健やかな成長と笑顔を応援しています。

5. 長田こどもクリニックからのお知らせ

【当院の診療について】

お子さんの予防接種でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

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長田こどもクリニック 杉並区南荻窪1-31-14

03-3334-2030

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