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【アトピー性皮膚炎】ステロイド外用薬、副作用が怖い?ガイドライン2024からわかる正しい理解と安心の治療 | 杉並区・荻窪 長田こどもクリニック

お子さんのアトピー治療、ステロイドへの不安を解消します!

お子さんの湿疹がひどくて、アトピー性皮膚炎と診断されたとき。「ステロイド外用薬」という言葉を聞いて、副作用が心配になったり、塗るのをためらったりするお母さんもいらっしゃるかもしれません。

インターネットでさまざまな情報があふれている中、何が本当なのか、どう使えばいいのか、混乱してしまうこともありますよね。

そこで今回は、アトピー性皮膚炎治療の日本の最も信頼できる指針である、日本皮膚科学会が発行する「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」に基づき、ステロイド外用薬の副作用について、皆さんの不安を解消できるよう分かりやすくご説明します。

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/ADGL2024.pdf

杉並区・荻窪にある長田こどもクリニックとして、地域の皆様が安心して、お子さんのアトピー治療に取り組めるよう、ガイドラインの情報を元に、正しい知識と当クリニックの考えをお伝えします。

ガイドライン2024からわかる!ステロイド外用薬の副作用について

ステロイド外用薬には、確かに副作用の可能性があります。ガイドラインでは、主に「全身性副作用」と「局所的副作用」について記載されています。

1. 全身性副作用について

ステロイド外用薬が皮膚から吸収されて、体全体に影響を及ぼす可能性のある副作用です。

【具体的な副作用の例】

体のホルモンバランスへの影響(視床下部―下垂体―副腎系の抑制)、血圧や血糖値の上昇、お顔が丸くなる(満月様顔貌)など。

【ガイドラインでの位置づけ】

ランクの高いステロイドを、広範囲に、大量に、そして長期間使用した場合に起こりやすくなるとされています。特に、皮膚のバリア機能が低下している重症な状態(紅皮症など)や、体重に対して体表面積が大きいお子さんは、大人よりも吸収率が高いため注意が必要とされています。

でも、過度に心配しないでください。

ガイドラインでは、適切な使用方法であれば、このような全身性の副作用は日常診療で通常起こらないと明確に述べられています。

なぜなら、ステロイド外用薬を適切に使用すれば、炎症が速やかに抑えられ、皮膚のバリア機能が改善します。バリア機能が回復すると、ステロイドの吸収率はぐっと下がるのです。

また、症状が改善すれば、使う量や範囲は減り、ステロイドのランクを下げることも可能になります。つまり、アトピー治療に詳しい医師の指導のもと、「漫然と使い続ける」のではなく「症状に応じて適切に調整しながら使う」ことができれば、全身性の副作用は極めて起こりにくいと考えられています。

2. 局所的副作用について

ステロイド外用薬を塗った部分の皮膚に起こる可能性のある副作用です。

【具体的な副作用の例】

皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)、血管が浮いて見える(毛細血管拡張)、皮膚にひび割れのような線ができる(皮膚線条)、ニキビや毛穴の炎症(痤瘡・毛包炎)、細菌やカビ、ウイルスなどによる皮膚感染症が悪化・広がってしまうなど。

【ガイドラインでの位置づけ】

これも、ステロイドのランク、使用期間、塗る場所(顔や陰部など皮膚が薄く吸収率が高い場所)、年齢(高齢者で起こりやすい傾向)などに関係します。

多くの局所副作用は、ステロイド外用薬の使用を中止したり、適切な処置を行ったりすることで回復します。

ただし、「皮膚線条」は一度できてしまうと多くの場合、元に戻らないとされています。吸収率の高い脇の下や股の付け根、陰部などに注意が必要です。

局所副作用を避けるためには、症状の程度や塗る場所、お子さんの年齢を考慮して適切なランクのステロイドを選び、必要な期間だけ使用することが大切です。湿疹が良くなってきたら、弱いランクに変えたり、コレクチム軟膏、モイゼルト軟膏といったステロイド以外の外用薬に切り替えて、良い状態を維持していくことも推奨されています。

また、局所副作用はステロイドの使用量が増えるにつれて発生リスクが上がるとされていますが、すべてのお子さんに必ず出るわけではありません。 特に2歳未満のお子さんでは副作用の発生頻度は少ないと報告されています。

必要以上に恐れず、医師の指示通りに適切に使用することが重要です。

3. 眼への副作用について

特に顔まわりにランクの高いステロイドを頻繁に使用した場合、緑内障のリスクを高める可能性が指摘されています。白内障との関連も議論されていますが、アトピー性皮膚炎そのものや、目をこするなど掻きむしることとの関連も考えられています。

眼の周囲に塗る場合は、必要以上に強いランクのステロイドを使わない、漫然と長期間使わない、改善後はステロイド以外の外用薬で維持するなどの注意が必要です。

なぜ「こまめな診察」が大切なの?

ガイドラインでも「ステロイドに対する不安への対処」として、十分な診察時間をかけて説明し、指導することが必要だとされています。

インターネット上の情報や、過去の怖い話だけにとらわれて、ステロイド外用薬への誤解や恐怖心から、指示通りに使えなくなってしまう(アドヒアランスの低下)と、せっかくの治療効果が得られず、かえって湿疹が悪化してしまうことがあります。

また、ステロイド外用薬の副作用か、アトピー性皮膚炎そのものの症状悪化かを見分けるのは、専門知識がないと難しい場合もあります。

杉並区・荻窪の長田こどもクリニックでは、お子さんの皮膚の状態をしっかり診察し、今どのような状態なのか、なぜこのステロイドが必要なのか、どのくらいの量をどのように塗れば良いのかを、お母さんお父さんに分かりやすく丁寧にご説明することを心がけています。

そして、治療を進める中で、お子さんの皮膚の状態は日々変化していきます。

  • 湿疹が良くなってきたから、ステロイドのランクを下げてもいいかな?
  • 塗る回数を減らしても大丈夫?
  • 副作用かな?と思う症状が出てきたけど、どうしよう…

など、疑問や不安が出てくるのは当然です。

だからこそ、「こまめな診察」が非常に重要になります。

診察のたびに皮膚の状態を医師がチェックし、必要に応じてステロイドの種類や量、塗り方をきめ細かく調整します。また、副作用が出ていないかを確認し、もし兆候があればすぐに対応できます。

「漫然とステロイドを処方され、長くダラダラと家でステロイド量を調整すること」には、適切な量や期間が分からなくなり、かえって副作用のリスクを高めてしまったり、十分な効果が得られなかったりする危険性があります。

まとめ:安心してお子さんのアトピー治療を進めるために

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024が示すように、ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎の炎症を抑えるために非常に有効で、適切に使用すれば全身性の副作用は通常起こらず、局所的な副作用も多くは可逆的です。

大切なのは、ステロイド外用薬を怖がりすぎず、かといって自己判断で漫然と使い続けるのではなく、医師の指導のもと、お子さんの皮膚の状態に合わせて適切に使うことです。

杉並区・荻窪にある長田こどもクリニックでは、最新の海外・国内ガイドラインや最新の論文に基づき、お子さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせたきめ細やかな治療をご提案しています。

ステロイド外用薬の使い方に不安がある方、お子さんの湿疹がなかなか良くならない方、副作用について詳しく知りたい方は、どうぞお気軽にクリニックにご相談ください。

こまめな診察と、医師との相談を通じて適切な治療選択をすることで、ステロイド外用薬の副作用を最小限に抑え、お子さんのつらい湿疹をしっかり良くしていくことができるのです。

【当院の診療について】

お子さんの湿疹・アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

予約はこちらからhttps://c.inet489.jp/osd2030/yoyaku/login.cgi?recno=&birth=

長田こどもクリニック 杉並区南荻窪1-31-14

03-3334-2030

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